空きっ腹にたましい

初谷むいのたのしいブログ

7/9 きみはいなくなったが、ぼくは頭良くなったかな

咳が止まらない。

 

 

落ち込んじゃうことがあって、あるかもしれなくて、なんかすべてに悲しく怒っていたら夜が更けていた。お風呂に入って寝たほうがいい。あんまり頭を使ってものを考えたくないから、日記もあんまり書けない。しょうがないからメールの未送信フォルダにあった書きかけの小説をのっけます。

 

 

家を出て、少し歩いて右に曲がると、でかい川がある。 大学のさほど仲良くない同期が、川と川の間にあるのが中洲で、 そこは洪水が起こったら、ぜんぶ沈んでしまうんだ、 と言っていた。大学を卒業してわたしはその中洲に住んでいる。 雨の夜は、時々その同期、タカナのことを思い出す。


台風の夜だった。雨が散々降る窓は、 部屋の中から見るとなかなか綺麗で、 わたしはぼうっとそれを眺めていた。 携帯のニュースの通知によると、 電車は止まってしまっているようだった。 当時わたしは三年間好きだった女の人にこっぴどく、 というよりも鼻からわたしには興味がなかったのだ、 という振られ方をしてなんとなく弱っていた。 雨の窓にかかわらず、わたしはいつもぼうっとしていた。 同期であるタカナがこの部屋に突然現れたのは、 22時を過ぎたあたりだった。
ピンポン、とベルが鳴った時、わたしは、 わたしの好きな女の人だ、と一瞬思い、次の瞬間、 そう思ったことにひどく落ち込んだ。いっしゅん、 の感情のことなんて(感情全般にいえることだが) わたし自身ではどうしようもなく、 だからこそわたしはひどく苛立った。 インターフォンを乱暴に取り、低い声でハイ、と言うと、あ、 タカナです、と小さな声が聞こえた。タカナくん? タカナは色が白くて背が小さく、いつもひとりで、 しかし楽しそうにしている男の人だった。ハイ。 ここはマコヤマの部屋ですが。ハイ、 マコヤマさんに会いにきたんだ。
とても奇妙な訪問だった。 タカナとは話したことこそあったものの、遊んだことも、 ましてや二人きりで会ったこともなかった。さらに言うと、 台風の夜に現れるなんていうのは。しかしながら、 タカナの様子はいつも通りであり、まるで彼の当たり前の一日に、 わたしを訪ねることが組み込まれているようだった。 普通に考えたら追い返すことも検討できたはずだが、 そのあまりに自然な様子と、台風の夜だということが、 なぜかわたしを納得させた。

 

 

ここでおわり。おもしろくなる予感すらしないところで終わっている。でもこういう日には、こういうしょうもない文章が似合うような気もする。

 

♡今日の短歌♡

わたしには短歌しかない 雪見だいふく伸ばすだけ伸ばして夢は終わる時音がする

 

♡今日の音楽♡

きっとね!/中村佳穂