空きっ腹にたましい

ほくたん はつたにむい

わるい女の子の話

ずっとずっとヒロインになりたかった。

 

ヒロインっていうのは怒涛の女の子、白いワンピースが似合う笑顔のすてきな肌と髪のぴかぴかしたかわいいしかし芯のあるような賢い女の子。あーあ、どうしてもだめだよ。わたしは化粧をしないと出歩けないし遅刻癖とがさつさと、さまざまな不具合を抱えて日焼け止めもつけずにぼーっと生きている。ずっとヒロインになりたくて、ヒロインになれたらできることもひりひりするくらいたくさんあって、でもだめだった。生き方を変えるにはわたしは幸せすぎているのだたぶん。だめだめぷーで今日も、白くま(ソフトクリームの中にかき氷の入った、蜜豆がかかってるおいしいやつ)と蜜豆を食べてしまった。蜜豆二回。なんたる。

 

なので、さいきんはいっそ諦めてわるい女の子になろうって考えている。大発見だとおもう。いい女の子と同じくらい、わるい女の子って愛されるような気がする、っていうのはわりと世の一般常識なのに、どうして今まで気づかなかったのだろう。ノルウェイの森の緑とか、そうとうなワルだよ。でもめっちゃかわいい。ずるい。たぶんワルさにはコツがあって、そのためにはめちゃよいところかわいいところとだめだめ部分を使い分けた上でほほえまなければだけれど、完璧になるよりはずっとなんとかなりそうじゃない?

 

わたし超あほだし、ひとりで笑っちゃうし、どこでも寝るし、カバン汚いけど、めちゃくちゃ愛せる。きみを必要とするしきみを守る。ことばで救ってみたい。それならできるかもしれぬ。

 

ずるく愛されてみたい。よっぱらってぎゅっとしても許されるようになります。がんばるぞ!ヒロインのばーか!!!

 

 

こんにゃくゼリーをあんまり噛まないでふひって言った好きのかわりに(初谷むい)