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空きっ腹にたましい

ほくたん はつたにむい

たのしい週末の話

おもったこと

わたしは空いてる週末が苦手で、変に空いてしまった日には意味なく図書館に行ったり、ともだちにとつぜん連絡をしてごはんを食べたり、ひとりで映画を見に行ったり買い物をしたりしてしまう。

時間に対してさみしい、のだと思う。ぽんこつ中のぽんこつで、気に入った(えらそうだ)ひととしかうまく話せないこと、勉強もしいられないと出来ないこと、ひとりでいると焦燥感がこわいし、しんどくなる。叶わなかった過去のことばかりおもう。ぐったりとする。

今日はだいじなバイトをしっかりできて、そのあとにめちゃくちゃかわいい女の子と会った。ふたりでばかみたいにサラダをたくさん頼んで、たべきれーんとわらっていた。彼女のことを、その存在をみんなに自慢したいのだけど、うまく表現できなくて、かわいい、としか言えないことがもどかしい。彼女のバイト先の変なお客さんの話や、高校のときのお気に入りの先生がひよこを死なせてしまった話(おもしろい)、実現するかわからない未来の話、わたしたちはおもしろいと思うことがとても似ていて、その話などをした。ほっぺと、人の話を聞いてないときの顔がかわいい彼女と会うとむむっと元気が出る。つまんないことをわらう人がすき。彼女はにこにこしながら終バスで帰って行った。写真を撮ったけどどれもぶれていてわらってしまう(あと、写真を撮ろうとするとはなの穴を見せたがるから、綺麗な子なのにおもしろくなる)。

おうちにかえったら母が脳トレで新聞記事を写していて、単身赴任から帰っている父がころがってテレビを見ていた。さくらんぼあるよっていわれておいしいのを食べる。口がキムチくさい。あーーちょう幸せーーー!!!みんなはいつ幸せですか。みんなでしあわせになりたいけどなあ。しあわせビームかましとくぞーー!!!!!びび!

テレパシーの話①

短編

人を好きだっていうのは、とても幸福でかわいいことだとおもう。高校に入ってから2年とすこし、わたしには思い人がいて、そしてそれはたぶん叶うことがずっとないものだったけど、心を求めないことを知ってからはずっと幸せだった。先生の指輪はいつも外されていて、それが白衣のポケットに入っているのをわたしは知っていたし、それがいつもその布をすこし変形させていることをいとおしく思っていた。ほんとうだ。彼の愛がたしかに存在して、誰かと微笑んでいること、彼が彼の家のクローゼットで大切な人とネクタイを選んでいる様、その想像はわたしをくるしく、それでいて満たしていった。ほんとうに、そうなのだ。わたしはわたしを、ぜったいに軽蔑したくなかった。先生に軽蔑されたくなかった。わたしの価値判断は、それだけって言ったってよかった。

うしろめたいことは、たった一度、誰もいない生物室で自慰をしてしまったことで、黒いリノリウムの机に、ふやけた指でハートマークを描いたときだけすこしだけ涙が出た。甘い甘いせいよくは遥か彼方へ遠のいて、それ以来わたしは先生の白く長い指を見ても、ふうんとしか思わなくなって、ただ彼のすこし鼻にかかったような声を耳に閉じ込めるように目をつむっていた。届かなくたっていい、届いては軽蔑される。それでも、わたしは彼のお気に入りになるために狂おしい努力をしたし、彼のテストでは確実に満点近く、かつかわいらしいミスをして心配もらうことを目標としていた。ただ、すこしでいいから、近づきたい。つまらない願いがあった。遠い遠い電波が通じるように、好きな人がわたしのことを考えたときにぴこぴこと通知が来ればいいのになあ、って考えていて、それを七夕に願ったら叶ってしまった。これはそういうお話だ。

星型の白い傷跡のようなものに気がついたのは七夕の次の朝で、朝着替えるときに胸元に一つ、シールのようにそれはあった。直感的に、願いが叶ったのだと、わたしは気づいた。朝、生物部の当番に向かうと、白衣姿の彼はすでに学校に来ていて、わたしに向かって薄く微笑んだ。

「ハネダ、おまえ僕と同じ大学行くの」

年齢不明だが深い笑い皺ともえくぼともつかない何かが、彼を笑うと数段階年老いてみせた。

「そうなんです、ご存知なんですか」

「おまえはお気に入りだからね、そりゃあさ。さっき模試見たけど、いい感じだね」

「先生のことを知っている人は、まだいらっしゃるでしょうか」

おきにいり、という言葉だけで心臓がとろけそうに波打っていた。頓珍漢なわたしの返事に彼は困ったように笑った。

「ゼミの先生なんかは、いるんじゃないかな、たぶんだけど。どうして」

「なんでもないんです」

あなたにとっては、と思う。彼の立ち去った生物室で制服をめくると、痣は大きくなっていた。たぶん、彼がわたしのことを考えれば考える分だけそれは大きくなる仕組みなのだ。不思議と疑う気にはなれず、わたしはぼんやりとそれを見つめていた。心には限りがない、身体には限りがある。それがすこしだけ怖かった。

 

 

 

続かないかもしれないので、そのうち消すかもしれません。夏っていいな。

記念日の話

おもったこと

サラダ記念日だー!みんながサラダ記念日の話をしてるのお祭りって感じで、俵万智さんはすごいなあと思う。すこし、これを書いていなかった気がする。ずっとねむくてねむくて、ふきげんで、つまんねえ人間だったので、ずっとねてました。

 

今日、大切な人の夢を見て、その中でその人はわたしに二回もどうでもいいメールを送ってきた。目の前にいるのに。それだけの夢だった。通知が来て、前を見たら困ったような顔をしていて、それで目が覚めた。その夢はわたしをいくらか楽しくさせたし、覚えていたいけれど、そのうちに絶対忘れてしまう確信があるし、一年後も大切かと言われたら、たぶん違うだろうと思う。そういうことはきっと、どんなに抱きしめたって記念日にはなりえない。一年後も十年後もずっとその先も大切にしたい覚えていたい日のことを記念日って名付けるのだろう。ものごとがはじまって、それが続いていく愛おしさを記念日っていうんだなって、気づいてないのはわたしだけだったかもしれないけれど、おもいました。だからサラダ記念日はすごいんだ。未来が見えるから。きみと来年もサラダを食べたいから記念日なんだろうな。わーどきどきする。揺るぎない言葉でしょ、記念日。ずっと生きていけるでしょ。記念日に向けて。

ふらふらしてはいられない。記念日、つくりたいな。記念日をつくる2016下半期にします。よろしくね。

 

 

記念日と決めてあなたと過ごしおり名付ける代わりにぜんぶ覚える(初谷むい)

雨の日の話

おもったこと

わたしの住む札幌市はざぁーざぁーと雨降りの今日だったので、映画を借りてコーヒーを買ってだらだらしてしまった。雨の日はいつも、おどろくほどねむくなってしまうので、まともに動くとぎゅんと疲れてしまうから、そうしたのだけど、コーヒーはもともとたくさん飲めないのによくばってパックのを買うからあたまがいたくなったし、映画は「残穢」っていうとってもおもしろいけど後味のわるーい和製ホラーだったのでよけいぐったりしてしまった。わたしはひとりでいるのがすきだけどひとりでいる方が消耗するのかも。好きな人たちに会いたいしいつでも声が聞きたいし触っていたい。なんだか意味もなくじぶんのだめさに落ち込んでしまうよ。わたしはみんなに甘やかされてるからなあ。むん。

 

雨の日に似合う場所、似合うことってなんだろうって考える。

案1、図書館。紙の匂いがいつもより重くなって雰囲気があるし、雨の外を見ながら本を読むのって好きだ。何もせず音楽を聴いてもいい。図書館はいいなあ。あ、昼寝もできるし。

案2、美術館。これもいい。湿度が調節されているから空気の肌触りがいいし、晴れていたらなんとなく太陽がもったいなくて行きたくないので雨の日にもってこいだ。教養も深まるし、楽しいし完璧。でも混みそうだなってとこがやだな。

案3、プラネタリウムまたは植物園。ここらへんは行ったこと自体ないから、推測だけれど、雨に閉ざされる感じがロマンスっぽいと思って案に入れた。どうかな。行った人教えて。というかただ単に行きたい憧れの場所なだけかもしれないけど。

案4(もっとも実行しやすく副作用も大きい)、おふとん。雨の日は寝るに限る。遅くに起きて、お昼を食べる。またおふとんに入って、きみから借りた漫画とか読みながらだらだらしつつ眠って、起きたらまだ雨が降ってて、ふうんと思って寝る。漫画の内容の夢を見る。起きる。寝る。短い悪夢。起きる。夕ご飯を食べてぼうっとしながら見たこわい夢の話をする。お風呂に入る。頭が少ししゃきっとする。冷たい麦茶を飲んで、なんにもやる気がしなくて、またねむる。これはやってもいいけど、とても、かなしいし落ち込む。あーあ一日が終わっちゃった、とか、やってない課題やいつか死ぬことなんか、ぜったいかんがえちゃうから。しんどい。だからわたしの夢は一緒にこれをやってへらへらしてくれるひとを見つけることなのだ。わたしと一緒に、植物のようにほほえみながらおやすみしよう。おねがい!

 

なんてことを考えていたら一日が終わっていました。はあーあ。落下する夕方の続きをよまなきゃだし(華子が最高すぎる)、課題をやらねばだし、つぎに自動車学校に行くのがいつなのか思い出さなきゃ。でもたしか冷蔵庫に夕張メロンがあったきがする。食べたらなんかしよーとか思ってるけど、さみしくなって誰かにわーっと電話しちゃうかも。東京に言ったあの子かな。いやいやだめだめ、がんばる所存です。えっさほいさ!(かわいい掛け声案)

 

 

ふとんにX  きみとふたりで眠るときぼくらはなぞの生命体だ(初谷むい)

わるい女の子の話

おもったこと

ずっとずっとヒロインになりたかった。

 

ヒロインっていうのは怒涛の女の子、白いワンピースが似合う笑顔のすてきな肌と髪のぴかぴかしたかわいいしかし芯のあるような賢い女の子。あーあ、どうしてもだめだよ。わたしは化粧をしないと出歩けないし遅刻癖とがさつさと、さまざまな不具合を抱えて日焼け止めもつけずにぼーっと生きている。ずっとヒロインになりたくて、ヒロインになれたらできることもひりひりするくらいたくさんあって、でもだめだった。生き方を変えるにはわたしは幸せすぎているのだたぶん。だめだめぷーで今日も、白くま(ソフトクリームの中にかき氷の入った、蜜豆がかかってるおいしいやつ)と蜜豆を食べてしまった。蜜豆二回。なんたる。

 

なので、さいきんはいっそ諦めてわるい女の子になろうって考えている。大発見だとおもう。いい女の子と同じくらい、わるい女の子って愛されるような気がする、っていうのはわりと世の一般常識なのに、どうして今まで気づかなかったのだろう。ノルウェイの森の緑とか、そうとうなワルだよ。でもめっちゃかわいい。ずるい。たぶんワルさにはコツがあって、そのためにはめちゃよいところかわいいところとだめだめ部分を使い分けた上でほほえまなければだけれど、完璧になるよりはずっとなんとかなりそうじゃない?

 

わたし超あほだし、ひとりで笑っちゃうし、どこでも寝るし、カバン汚いけど、めちゃくちゃ愛せる。きみを必要とするしきみを守る。ことばで救ってみたい。それならできるかもしれぬ。

 

ずるく愛されてみたい。よっぱらってぎゅっとしても許されるようになります。がんばるぞ!ヒロインのばーか!!!

 

 

こんにゃくゼリーをあんまり噛まないでふひって言った好きのかわりに(初谷むい)

影の話

おもったこと

ずっとむかし、好きだった男の子に「かげ、うすいよな」って言われたことがあった。それは明らかな悪口だったので、やめてよ〜とかなんとか返したと思うんだけど、かれはいっとう真面目な顔で「いや、存在感とかではなくて、影。大丈夫?」って言ってわたしたちの下を指差した。なるほど、そんなはずはないのだけどわたしの影はいつもより青味を帯びて、うっすらとしていたように思った記憶がある。

 

昨日道を歩いていたら影がうすくみえて、絶対錯覚なんだけど、急にそんなことを思い出して笑ってしまった。8月11日生まれで、「はいぃー!の日だよ」とよくわからないことを提案していた。笑い声がひゃひゃひゃだった。噛み癖があるから爪がとっても短い。黒目が大きくて、整った顔をしていた。いくつかの秘密を作ったこと。なぜかかれの公文式の100点のプリントをもらった。変な男の子だったけど、ものすごく好きだった。かれがいればどこでもいけると思っていたし、かれがいなければどこにもいけないと思っていた。両方とも、まちがっていたけど、すごいことを考えていたな、と誇らしくなる。

 

かれとはいろいろなことを話したし、どれもが面白かっただろうなあと思うのだけど、大抵のことは忘れてしまって、くだらないいくつかのことだけ覚えている。たとえば、体育で、男女分かれて長距離走をした日のこと。わたしは運動音痴で、ぺこぺこ初夏のグラウンドを走っていた。ビリの方でゴールしたのではないかと思う。教室に戻って、夕方になって、たまたま隣のクラスだったかれに会ったとき、「今日走ってたね」と、いきなり言われた。

「何の話?」

「体育」

「みんな走ってたけど」

「うん、走ってた」

たぶん、みてたよ、って意味だったのだと、しばらくしてから気付いた。わたしはあれ以上のささやかで適切な愛をいまだに知らないかもしれないなって、これを書きながらおもっていてすこしさみしい。うん、すごい愛だった。ぜったいに、誰がなんと言おうと、少しひそめたあの声は愛だったって信じてる。ずっと忘れたくないな。きみは忘れているだろうけど。

 

元気かな。元気ですか。どんな大人になっているかな。

 

 

雨の日の公園 今思えばめっちゃ最強な握手だったよね  ね(初谷むい)

お酒を飲む話

おもったこと

ほんとうはまったく違うことを書こうとしてたのだけど、酔っ払っているのでお酒の話をしようと思います。

 

お酒、たのしいからとてもらぶ。あじもいろいろあるし、なんかあったかいしよくわからなくなるし、たのしい。忘れてるものがなんなのかどうでもよくなる。

緊張せずにたくさん話せるのが最高。わたしほっといたらずっとちみっちゃく座っておびえておわってしまう。憧れに触れるのはいつもこわくて、手を伸ばすのもいやになる。わたしは好きな人とばかりお酒を飲むから、いつもこわくてしかたない。

 

帰るのだっていままでは怖かったけど、もうこわくなくて嬉しい。お酒のふわふわはすごい。いつか終わることまで頭が回らないのはうれしい。うれしいな。

 

 

ほんとうにほしいものはいつも手に入らなくて、代用品を与えられて生きているわたしは代用品でウルトラハッピーしなきゃいけないよね。こんなかなしい文を書いている地下鉄はめっちゃ明るくてやばいし、仕方なく幸せでいる。うそだな。わたしどうしてもほしいものたぶんいっぱいもってて、忘れてるだけだ。世界一かわいい女の子からさっき映画に誘われたし、もー生きててよかった。きみに好きな歌を教えたい。きみが聴いている音楽を教えて。むりって言われるのがこわいから言わないけど、いつも持ってないものがほしいから、わたしたちはいつもすこし不幸でかわいいよね。

 

とにかくねむい。ハグミープリーズ。駅に着いたから、バイ。みんな、代用品でも、わたしを好きでいて。